テクニカル分析は様々な指標を使いますが、何を使って良いかわからない方もいらっしゃるでしょう。複雑で難解なテクニカル指標を使ったからといってトレードで稼げるようになるとは限りません。
使用する指標は「シンプル」で「わかりやすく」、「汎用性」や「再現性」に優れているものである必要があります。
今回はテクニカル分析で最も多く使われている「移動平均線」を解説していきます。
この指標を理解することで皆さんのトレードは劇的に勝率が上がり、継続的に稼げるトレーダーに近づくことができるでしょう。
移動平均線とは?
Moving average line(MA)ムービングアベーレージライン
過去一定期間の平均値を線で結んだもの。トレンドを計ることに適した指標。通称MA。
すべてのトレーダーがチャート上に示していると言っても過言ではないテクニカル指標です。
しかしながらどれだけのトレーダーが移動平均線を理解しているでしょうか。
ローソク足と移動平均線だけで勝ち続けているトレーダーも存在します。この移動平均線の基本を正しく理解することによってトレードの質が向上することは間違いありません。
(1)移動平均線の設定
移動平均線は期間を自由に設定できます。短期と長期の2本をチャート上に表示することが一般的です。
おすすめの設定をご紹介します。
日足 | 短期7 長期30 |
---|---|
4時間足 | 短期6 長期42 |
60分足 | 短期4 長期24 |
15分足 | 短期4 長期16 |
を推奨しています。
その理由としては、これらの期間を乗ずるとトレーダーが注目する節目の期間になるからです。
具体的には以下のようになります。
日足 | 日足×7=1週間 日足×30=1ヶ月 (短期7 長期30) |
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4時間 | 4時間足×6=1日 4時間足×42=1週間 (短期6 長期42) |
60分足 | 60分足×4=4時間 60分足×24=1日 (短期4 長期24) |
15分足 | 15分足×4=1時間 15分足×16=4時間 (短期4 長期16) |
といった期間の平均値を結んだ線になるからです。
実際は自分のトレードに合ったものにアレンジする必要がありますが、特に初めてトレードする方は上記の設定を行い、慣れてきたら変更するのが良いでしょう。
図1.BTC/JPY 日足 7日移動平均線(短期) 30日移動平均線(長期)
pop先生と龍馬が実際に使用している取引所
通貨ペア数 | 取扱通貨ペアは70種類(Forex、ダウ、日経合わせ)と他社を寄せ付けない圧倒的な数です。★★★★★ |
---|---|
片道手数料(スプレッド) | 2018年後半にスプレッドの改定があったものの、完全に狭まったとは言い切れません。★★ |
レバレッジ | 最大200倍で通貨ペアによる制限もありません。★★★★★ |
サーバー強度 | トレードプラットフォームとしてMT5を利用しているため、ほとんど止まることがありません。★★★★ |
スマホアプリ | MT5はiOS版、Android版ともに準備しており、使い勝手は抜群です。 ただ、Webサイトとアプリが分かれているため、登録からログインまでが分かりづらい仕様となっています。★★★ |
(2)移動平均線の「傾き」
移動平均線の「傾き」によってトレンドを明確に掴むことができます。
相場にはトレンド相場とレンジ相場があるということは他項で述べたとおりですが、このトレンドorレンジを判断することによってトレードの難易度を下げることが可能です。
トレンド相場の戦い方とレンジ相場の戦い方は異なりますので、移動平均線で攻略していきましょう!
①右肩上がり
移動平均線が右肩上がりである場合は「上昇トレンド」の期間です。
上げ相場なので基本的にはロング(買い)で攻めることで断続的な利益を得ることができます。
逆にショート(売り)で入ると損失が膨らんでいきますので注意が必要です。
図2、BTC/JPY 日足 30日移動平均線(長期) 右肩上がり
②横ばい
「レンジ相場」に該当します。前回の安値付近でロング、高値付近でショートを取ることで利益を得ることができます。
しかしながらレンジ相場はいずれ終わります。(レンジ相場とトレンド相場を繰り返す)
その場合は的確な「損切り」が必要になりますので、損切りに躊躇してしまう初心者の方はレンジ相場では手を出さないという選択肢も視野に入れることも良いでしょう。
③右下下がり
続いて「下落トレンド」のターンです。
移動平均線付近でショートを入れることによって利益を得ることができるでしょう。
上昇トレンドに比べて下落トレンドは速度が早いため、ショートするタイミングはタイトになります。
場合によっては移動平均線より手前で注文出すことも必要になってきます。間違ってもロングで入ることはしてはいけません。
図3、BTC/JPY 日足 30日移動平均線(長期右下下がり)
(3)移動平均線とローソク足の位置関係
移動平均線とローソク足の位置関係を把握することによって、より正確なトレンドを把握することができます。前述の移動平均線の「傾き」と併用することが大切です。
全9パターンがありますが個別に解説していきます。
①移動平均線 右肩上がり
A ローソク足>移動平均線
この状態にあるときは様子見です。上昇トレンド中ですがロングを取ると調整で下げる(押し目)可能性があるため非効率です。
B ローソク足=移動平均線
絶好のロングチャンスです。しっかりと移動平均線付近でのサポート(反発)を確認してからロングしましょう。初心者の場合、こういった分かりやすい状態に絞って取引すると良いですね!
C ローソク足<移動平均線
様子見しましょう。反発してもサポートであった移動平均線がレジスタンス(抵抗線)になる可能性があります。その場合は転換の可能性がありますので、ロングを組んでしまうと含み損を抱えてしまいます。
②移動平均線 横ばい
A ローソク足>移動平均線
ショートのチャンスです。直近の高値付近でショートすることで利益を取ることができます
B ローソク足=移動平均線
この場合は基本様子見です。どちらに動くかは分かりにくい相場ですね。
C ローソク足<移動平均線
ロングのチャンスです。直近の安値付近でロングしましょう。
③移動平均線 右下下がり
A ローソク足>移動平均線
様子見しましょう。反落してもレジスタンスであった移動平均線がサポートとして上昇可能性があります。
B ローソク足=移動平均線
ショートのチャンスです。移動平均線がレジスタンスとして反落したタイミングでショートすることで利益を出すことができます。
C ローソク足<移動平均線
様子見です。もう少し移動平均線付近まで引きつけてからショートをすることで効率良いトレードができるでしょう。移動平均線がレジスタンスとして機能した瞬間にショートを入れて行きましょう!
(4)2つの移動平均線の関係
2つの移動平均線の位置関係によって相場の転換やレンジの継続状況を把握できます。
有名なゴールデンクロスやデッドクロスの出現でいち早くトレンド転換を掴みましょう。
①短期移動平均線>長期移動平均線
短期移動平均線が長期移動平均線を上回ることを「ゴールデンクロス」と言います。この出現によって上昇相場を形成することになるでしょう。ロングを中心に攻めていく相場になります。
②短期移動平均線<長期移動平均線
反対に短期移動平均線が長期移動平均線を下回ると「デッドクロス」といって下落相場を形成する特徴があります。ショート中心の戦略で利益を狙っていきましょう。
図3、ゴールデンクロスとデッドクロス
③短期移動平均線=長期移動平均線
しばらくトレンドが続いている状況です。移動平均線が右肩上がりなら上昇トレンドの継続、逆に右下下がりなら下落トレンド、横ばいであればレンジ相場が続きます。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
移動平均線をマスターすることでトレードの質が向上することは先に述べたとおりですが、一朝一夕で理解できるものではありません。
野球で言えば「素振り」、勉強で言えば「読み書き算盤」、健康促進だと「ウォーキング」といったように、毎日の努力が習慣となりトレードに活かすことができます。トレードにはラクして稼ぐ聖杯などありません。しっかりチャートと移動平均線を見て学ぶことを継続して、勝ち続けるトレーダーになるよう努力していきましょう!